編集後記vol.6

赤い羽根共同募金が実施する「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」の第6次助成先が決まった。有難いことに、この東北復興新聞も助成対象となった。前回は「実績不十分」で見送られ、一同で肩を落としたが、しつこく事務局に新聞を届け続けた成果か、無事採択していただいた。喜びよりも、これでまだ続けられるとほっとしたのが正直な感想だ。

資源を分配するのはいつでも難しい。人から預かったモノであればなおさらだ。これまでは、行政や企業がその役割を果たしてきたが、震災後の動きはその枠を超えたスピードと規模だった。テクノロジーの恩恵を受け、寄付サイトを通じて多額の支援が短期間で集まり、twitterを始めとするソーシャルメディアが、情報は直接流通することを証明した。しかし、新しいテクノロジーに裏打ちされた量とスピードは、同じ規模感で失われる。新聞を、紙で届けようと思ったのは、長丁場には古いテクノロジーが向いていると思ったからだ。

先日、岩手で心に染み入る言葉を聞いた。「取り合ったら足りないが、分かち合ったら余る」。震災後の日本の姿を、そしてこれからの社会を表す言葉ではないだろうか。取り合う生活ではなく、分かち合う人生を歩みたいと、最近思う。(T)

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