地域の素材を活かしながら、食の復興へ[笑顔の架け橋Rainbowプロジェクト]

志のや(南三陸町さんさん商店街)
南三陸町ある志のやは、志津川にあった料亭で、震災後にさんさん商店街でお店を再開。
南三陸の海の幸など地元の素材を活かした料理が味わえます。
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震災から店舗の再開まで

さんさん商店街にある「志のや」

さんさん商店街にある「志のや」

宮城県南三陸町の志津川にある「志のや」は地元の素材を使い、個室でゆっくりくつろげる地元の人に愛される料亭でした。

2011年3月11日の東日本大震災発生時、”親方”の高橋修さんは、海から店が約3.5キロ離れていたため「どうせ津波が来ても床下くらいだろう」と2階から外を見ていました。すると、9mほどもある黒い波の影がものすごい勢いで向かってきて、90坪のお店を持ち上げてしまいました。「こんなに簡単に壊れてしまったのか」と親方は当時を振り返ります。屋根と屋根がぶつかったところをなんとか這いあがり奇跡的に助かりましたが、家ごと2.5キロくらい流されたそうです。

震災から15日ほど経った頃、このままではダメだと思いお弁当の販売を道路沿いで始めます。その後、仮設商店街「さんさん商店街」で「志のや」を再開しました。

地元の素材を活かしたA級グルメ「キラキラ丼」とB級グルメの「タコカレー」

南三陸のA級グルメ「キラキラ丼」 夏は「うに丼」!

南三陸のA級グルメ「キラキラ丼」 夏は「うに丼」!

B級グルメとして誕生した「タコカレー」

B級グルメとして誕生した「タコカレー」

南三陸の豊かな海産物を使った「キラキラ丼」は、「南三陸のA級グルメ」として売り出しています。「キラキラ丼」は季節ごとに具材が変わり、春は“春つげ丼”、夏は“うに丼” 、秋は“秋旨丼”、冬は“いくら丼”と四季毎に異なる丼を楽しむことができます。
キラキラ丼は値段が約2,000円程度とA級グルメならではの価格帯ですが、もっと気軽に食べてもらえるものを作りたいという思いから、試行錯誤の末、地元の素材をふんだんに使った「タコカレー」を生み出しました。

南三陸町は海に面しており、食材が豊富です。特に「東の志津川、西の明石」と言われるほどタコが有名な地域です。志津川湾はタコの天敵であるウツボがおらず、ウニ、アワビ、昆布などタコの好物が豊富にあり、他地域のタコと比べて大ぶりで味も抜群です。「ウニ、アワビを食べる”セレブダコ”」とも言われているそうです。

「キラキラ丼」は敷居が高いけど、カレーだったら食べられるというお客様も多く、子どもからお年寄りまで多くのお客様に食べられているそうです。タコカレーは南三陸入谷地区で取れたひとめぼれを使い、地元で採れた野菜を大きめにカットして素材の味を活かした具がゴロゴロ入っています。

カレーのルーは、南三陸町入谷地区で繁殖されたブランド「仙台牛」のスジ肉を3日かけて仕込み、牛バラ肉も食べ応えのある大きさにカットされています。タコは水ダコの頭と足に分けて弾力と歯ごたえが楽しめます。他のお店ではタコをカツにしてカツカレーのようにしているお店もあるそうです。現在タコカレーを提供しているは2店舗ですが、これからもっと増えるよう仕掛けていく予定だそうです。

町が復活すると食材も復活する

地元の素材を活かした料理をつくる親方

地元の素材を活かした料理をつくる親方

”親方”こと高橋修さん

”親方”こと高橋修さん

「南三陸に来た人に地元の物を食べていただいてファンになってほしい。自分たちはいつも食べているものなので、おいしさに気付かないが、外から来たひとが「おいしい」というと、おいしいものなんだと気付く。そういう意見を聞いて改善していけたらいいですね。どん底までつらい思いをしたので、楽しいことをしたい」と親方は笑顔で語ってくださいました。


志のや(南三陸町さんさん商店街)
住所:〒986-0700
    宮城県本吉郡南三陸町志津川御前下62-4
電話:0226-47-1688
営業時間:10:30~14:00(閉店)
     16:00~21:00(閉店)
定休日:水曜日
URL:http://www.sansan-minamisanriku.com/shop-list/shinoya/

記事提供:NTTdocomo「笑顔の架け橋Rainbowプロジェクト」