編集後記vol.32

復興本『3YEARS』の発売日。都内で開催した出版記念イベントに、130名を超える方に来場いただいた。

トークライブでは「東北は今、世界的に見ても一番成長しているアツい場所」「日本人の寄付総額が震災を機に上がり続けている。新しい土壌ができつつある」などの言葉に、会場では笑顔で頷く多くの顔が。

東北から取り寄せたワカメやいちご、有機野菜、日本酒には、「わあ!美味しい!」と、驚きと感動の声。また3県・東京で活躍する復興のリーダーたちにもマイクを握っていただき、決意発表あり、爆笑あり、女性たちの黄色い声ありの賑やかなひとときとなった。

熱気でいっぱいの会場を眺めながら、「北風と太陽」が浮かんだ。震災から3年が経つ今、「忘れないで」「まだこんなに大変」と訴えても、コートの襟を立て足早に通り過ぎる人は多くなっていくだろう。それよりも、「何だか楽しそう」なムードや、東北で活動する人のワクワクや感動、やりがいといった温度が、人を立ち止まらせ、引き寄せるのではないか。今後の東北復興新聞の役割も、この「太陽」の側にあるのかもしれない。

東北にある希望を詰め込んだ復興本の発刊日に、私たちもまた、新しい希望を見つけることができた。(編集長)