編集後記vol.28

 ご縁あり、ライターとしてこの新聞に関わり始めたのは2ヶ月前。初めて東北の地に足を踏み入れ、今までに4つの記事を執筆させていただいた。

 先日は「ふくしまの『これから』を考える旅」というモニターツアーの取材に行った際、初めて食品モニタリングを見学した。

 1台150万〜200万円もする機械が20台近く並ぶ部屋に、次々と運び込まれてくる食品の数々。JAで販売している食材は、全品目、全戸、検査対象で、1日約100件もの検査がなされている。今年はセシウムも全く検出されていないそうだが、それでも風評被害は収まらない。美味しそうな桃が、8個で300円という安さで販売されているのを見て、その現実を思い知った。

 震災から2年半たち、被害の大きかった地域も表面上は少しずつだが再生し始めている。けれど、その裏では、明日の見えない作業を続けている人がこれほどたくさんいる。この現実。これが現実。

 そういった「現実」を見つけて、感じて、伝える。これが私の仕事。

 まだまだ東北初心者の私だけれど、今の私に見える、今の私が感じる東北を精一杯伝えよう。そして、何度も何度も東北に来ようと思う。(E)

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