【岩手県 仮設住宅調査】復興の情報源は圧倒的に行政から

市町村は外部と連携して広報力の強化を

 岩手県における仮設住宅の調査結果が発表された。本調査は、北は宮古市から南は陸前高田市まで、沿岸6市町の仮設団地住民を対象に、いわて連携復興センターが岩手県や各市町村の協力の元で半年に一度行っているもの。生活環境や就労、コミュニティの状況、住まいの見通しなどについてまとめられた。

岩手県 仮設住宅調査

 被災地全体として大きな課題となっている住まいの見通しについて、全体では27%の方が「既に見通しが立っている」となり、昨年7月に行った前回調査の13%の2倍を超える結果となった。進捗が見られるのは喜ばしい一方、「何もしていない」「検討し始めている」が各3割と、半数以上が具体的な見通しが見えていない状況だ。

 見通しの見えていない層にその理由を聞くと「高台移転、区画整理等、確定するのを待っている」が49%と、復興の進捗情報の重要性が見て取れる。そして着目すべきは、住まいの見通しと情報満足度の関係性だろう。住まいの見通しがある人の53%が、今後の生活に必要な情報に対して満足している一方、見通しのない人の満足している割合は36%に留まる。必要な情報は「無い」だけでなく「伝わっていない」現状が見て取れる。(図1住まいの見通しと情報満足度)

 もう一つ着目すべきは、住民の情報取得手段だ。新聞(38%)やテレビ(30%)、インターネット(5%)を大きく上回るのが「市町村広報」で、76%という結果となった。様々なメディアがある中だが、行政側が直接伝える重要性が明らかだ。(図2 復興に関する情報を得る手段)

 役場内で横断的に情報を収集し、住民に対して分かり易く届ける。市町村は広報力の強化が急務だが、一方多くの復興事業でマンパワー不足が続く中、行政だけでそれを行うは厳しい現状もある。例えば我々RCFも釜石の住民コミュニケーションをお手伝いしている。復興支援員などの仕組みを活用しながら、いかに外部と連携していくのかが問われていると言えるだろう。

(文/RCF復興支援チーム藤沢烈)

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