[RCI調査] 心の病の原因 収入・就業・住環境よりも運動機会や頼れる人が必要

コミュニティ形成の重要性が浮き彫りに

「石巻医療圏 健康・生活復興協議会(代表:武藤真祐)」(以下、RCI)は、9月11日に在宅被災世帯状況の報告会の中で、在宅避難者の生活と心の病に関するデータを発表した。2012年4月1日から8月31日の間に、戸別訪問の聞き取り調査を行った石巻医療圏の5441世帯のうち、2103世帯から回答を得ている。

調査でクロス集計を行い、たとえば「頼れる人の有無」に関する回答ごとにどのくらいの割合で「生きる希望がない」の回答者がいたかを比較。その比較結果に3%以上の差異がある場合は「関連ある要素」と定義している。「頼れる人がいない」と回答した人のうち24%が「生きる希望がない」とも回答。また、「頼れる人がいる」の回答者のうち「生きる希望がない」と答えた人は6%という結果を得られた。これは頼れる人の有無が、生きる希望の有無に影響するということを示唆している。

関連性のある要素を(図1)にまとめた。これらの結果は「コミュニティ作り」や「住民が困ったときの外の専門家への橋渡し」の重要性を改めて明示している。

(図1) 心の病との関連性

これらの結果はもちろん石巻のみならず、多くの地域でも共通するだろうと推察されている。支援者および支援団体は、こういった項目は、自死の危険因子として認識すると良い。また、心の健康状態を調べる簡易指標の「K6」(図2)にもその相関が認められているので、こういった指標を使って判断していくのも良いだろう。改めて調査という形が取りづらい場合も、日常会話の中で「よく眠れていますか?」「外に出てますか?」「困ったときに相談できる人はいますか?」などの声がけを通して、心のケアが必要な人のフォローアップにつなげていきたい。

(図2) 「K6」 こころの健康状態を調べるテスト

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