宮城県気仙沼市「ピースネイチャーラボ」の挑戦に学ぶ【下】

<販路開拓・販売促進> 商品開発と同等以上の販路開拓への努力

ピースネイチャーラボは代表、副代表に加えて6名のスタッフを中心に事業を運営している。うち3名はプロダクトチームとして製品開発を行い、残りの3名と代表の松田さんはファンドレイズおよび販路の開拓のために東京を中心に活動している。六次産業化においては生産と加工に加え流通、販売における事業展開が重要であり、この分野におけるバリューアップパートナー開拓を行っている。

東京でカフェや空間プロデュースを行うカフェ・カンパニーもバリューアップパートナーの1つ。製品開発やブランディングにおける協力に加え、運営する高速道路サービスエリア内施設での製品販売を予定している。ゴールデンウィークには館山自動車道の市原サービスエリア(上り)で同社が展開するTABE TABI MARKETにおいて、気仙沼の蒸し牡蠣を試験的に販売。期間内に用意した約1200個の牡蠣を完売し、手応えを感じていると言う。

その他大手百貨店における催事企画参加やギフトカタログ掲載なども進めている。単なる商品営業に終わらず、例えば顧客への現地ツアー開催企画などを通じ、互いのバリューアップを実現するパートナーとなれるよう心がけていると言う。

<資金調達と今後>

5月14日、ピースネイチャーラボは一般財団法人東北共益投資基金の「復興起業キャピタル」の第一号案件として、私募債形式で500万円を調達した。資金調達やパートナー開拓に成功している要因は、確立されたコンセプトと、それを元に生産から製品開発、流通までバランスよく展開されている事業戦略、それに「ひたすら営業」と松田さんが言う行動力だろう。それらが外部の人間の心を引きつけ、共に事業を推進するパートナーとなっていくのだ。

現在建設中の工場も8月に完成予定で、3年以内に1億円規模の年商を目指している。地元と域外混合チームによる新たな六次産業化事業の、今後の進捗を見守って行きたい。

パートナーの声/カフェ・カンパニー担当者に聞く

ピースネイチャーラボのバリューアップパートナーとして製品開発からブランディング、販路において協業予定のカフェ・カンパニー(株)。「WIRED CAFE」など数々の人気店を生み出してきた同社担当者に、ビジネスとして関わる意義や付加価値創造の手法を聞いた。

カフェカンパニー地域コミュニティ事業部の當間マネージャー(左)と 香川マネージャー(右)

自社ビジネスの広がりを感じられるビジョンに共鳴

協業を進める大きな理由はビジョンに共鳴したことです。産業復興のあり方だけに留まらず、そこにしか無い価値を発掘、創造し、地域社会全体を発展させていくという将来ビジョンに、我々のビジネスとしても広がりの可能性を感じました。例えば当社は現在アジアなど海外進出の準備を進めていますが、フランスのボルドーのように「世界に発進力を持つ地域」を育てていきたいと考えています。気仙沼の地域資源を学び、そこに付加価値をつけて当社の販路で販売しながら共に試行錯誤しながら地域ブランドをつくっていきたいと思います。

共感を呼ぶ付加価値創造プロセス

製品や店への付加価値付けにおいては、地域やモノの魅力を最大限に活かしながら、一つひとつディテールをつめる必要があると思います。当社のカフェづくりでもオープン後に運営しながらニーズに応じてカスタマイズしていくことにより「地域で共感を生む」店をつくることを心がけてきました。

ゴールデンウィークに千葉県の市原サービスエリアで販売した気仙沼の蒸し牡蠣

その他イベントをしかけたり、地域の野菜を販売するためにすぐ横でディップを用意するなど関連するコンセプトの商品を並売したり、打ち手はさまざま。地域の産品の魅力を見つめ直し、顧客ニーズと掛け合わせながら、価値を最大化していきます。価値は伝えるものであるだけでなく、伝わっていくものであり、パターン化はできません。その場に集う人々と地域をしっかりと見続けることが大切ではないでしょうか。

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