【Leaders Interview】岩手県大船渡市立末崎地区公民館(ふるさとセンター)館長

近藤均さん
岩手県大船渡市立末崎地区公民館(ふるさとセンター)館長。
末崎町住民4500人のまとめ役としてまちづくりに奔走中。

行政頼みではなく、自分たちで考え、声をあげてまちづくりを

岩手県大船渡市立末崎地区公民館(ふるさとセンター)館長 近藤均さん

岩手県大船渡市立末崎地区公民館(ふるさとセンター)館長 近藤均さん

公民館長が復興のリーダーに?

もともと、公民館長は社会教育事業が本業。しかし、この地域では公民館長のことを「地域の長」としてみる向きがありました。加えて私は、市や県のさまざまな委員会に入ってきたため行政側の人々も知っており、また、長年小学校教師をしていた関係で地域との繋がりも深かった。津波により約660世帯が流され、62名の死者・行方不明者が出てしまい、すると自然に地域と行政のパイプ役として動くことになったのです。

住民と行政のつなげ方は?

公民館で住民集会を開催し、そこに市の職員を呼んで一問一答で議論してもらったり、住民と直接話をした内容から、市に要望を持って行ったりしています。

例えば、仮設診療所の場所を見繕って地主と交渉し、それを行政に通したり、末崎町復興推進委員会を立ち上げ、住民の声をまとめたまちづくり計画書を市に持って行ったり。火急的課題であった高台移転に関しても、住民が住みたい場所を地区ごとにまとめたり、高台を所有していて宅地造成に積極的な地主を行政に紹介したりということをして、ようやく目処がついてきたところです。

今ある課題は?

行政と地域を両方分かっている人間がなかなかいないので、住民の要求や生活の課題を、対話のなかから吸い上げる作業があまりできていないように思います。アンケートだけではだめなんです。仮設住宅の住民のうち、25~30%は資金不足等の理由から家が建てられないということや、建設予定の海岸堤防に対して反対の声があがっていることなどは分かっているけれども、住民にどれだけ仕事があるかなど、把握されていないことも多いです。

また、町外に避難している人のケアも必要。住民集会に来られないので、彼らに個別に連絡を取って意思をくみ取っていく必要があります。

目指すまちづくりは?

やはり、働く場所があって、笑い声の聞こえる楽しい町にしたいです。ただし、全部行政に頼んでやってもらうような甘い考えではだめで、ちゃんと自分たちでどういうまちづくりをしたいか考えて、どの部分が自分たちがやるべきところか見極めないと。そのうえで、自分たちができないところを外に向けてきちんと発信し、行政や企業、ボランティア団体に動いてもらえるように努力していきたいと思います。

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