石巻市民主体の協議会による まちづくりモデル コミュニティ誌で進捗共有し 住民の一体感を醸成

宮城県石巻市はこれまで地元の住民を中心に、行政、専門家を巻き込んだ協議会を発足し、復興整備にあたってきた。

「コンパクトシティいしのまき・街なか 創生協議会」発行『まちなかだより』第4号

「コンパクトシティいしのまき・街なか 創生協議会」発行『まちなかだより』第4号

「コンパクトシティいしのまき・街なか創生協議会」は昨年12月20日の発足以来、防災意識が高く安心して暮らせるだけでなく、石巻が持つ景観・歴史・文化の薫るまちづくり・まち並みづくりを推進することを目的として活動している。

具体的には、おもに景観デザインの観点から話し合う「街並み部会」、石巻のまちに見合った再開発等を推進し、計画間の情報交換・調整を図る「事業推進部会」、石巻の暮らしや地産品の中から「石巻らしさ」を持つものを発掘し、磨き上げ、広く発信する「ライフスタイルブランド化部会」の3部会から構成され、市、県、国との積極的な意見交換を図りながら進めている。WEBサイト「石巻まちなか情報局」を立ち上げ、震災後に営業を再開している店舗情報や、地域のイベント情報などについて紹介している。

同協議会の特長は「一部の人達が進めている」と思われないための仕掛けにあると言える。例えば『まちなかだより』というコミュニティ情報誌の発行。街並み部会が作成した中心市街地案を図説とともに丁寧に解説するなど、会議に参加できない住民とも現在のステータスを共有。活動の「見える化」により、周囲を巻き込む工夫をしている。住んでいる人が本気になり、一人ひとりが「自分事」として取り組まなければ、まちづくりは絶対に良くならない、という思いからだ。

また震災後、延べ25万人が訪れたというボランティアの方々の力、あたたかい気持ちを、一つの文化にしていくための方法も議論。「石巻プチ市民」として登録し、引き続き石巻と関わりをもってもらえるような施策も検討している。

住民が中心となって、住民に活動への参加を呼びかけ、未来を見据え徹底的に議論する全員参加型のまちづくりの取り組み。今後も続く長い復興の道のり、その過程を見守り続けたい。

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