男女の出会いを提供し、商店街を活性化 盛り上がる「街コン」の力

参加者はのぼりの立つ店舗を時間でまわっていく

参加者はのぼりの立つ店舗を時間でまわっていく

地域に密着した大規模な合コンイベント「街コン」が、昨年下半期に入って急増している。出会いの場の創出と街の活性化を目的として、商店街や飲食施設に数百人から千人以上を集客し、参加した男女は数軒の飲食店を飲み歩く。岩手県盛岡市の「わんコン」や宮城県仙台市の「せんコン」など、各地で盛り上がりを見せている。

成功例の一つが、福島市で定期的に開催されている「福コン」だ。昨年7月に第1回、10月に第2回、今年1月に第3回を開催し、集客はそれぞれ約2千名、2千300名、3千名。4月28日には第4回が開催予定で、予測集客数は約3千名、この地域で受け入れられる最大限だという。参加店舗数は初回が38店舗だったが、4回目は75店舗まで拡大する見込みだ。

実行委員長の福地雅人氏が「福コン」を立案したのは昨年5月。「震災による自粛ムードに加え、原発事故の影響で人がどんどん流出する印象を受けた」と話す。客が減って危機に陥っている飲食店街と、「一人は寂しいが出会いがない」という地元の人の現状を打破するきっかけになればと、開催へ踏み切った。初回に参加した店舗は、福地氏が経営する商業ビルの飲食店テナント10数店舗をはじめ、仲間が経営する店舗が中心。実施の決断が早かったことに加え、福島市の補助を受けることができたため、思い切った宣伝広告ができた。実施にあたり、地域からの反対はなく、人の流れができ街が賑わったことで参加を希望する店舗も増え、いい循環が生まれていった。福地氏によると、参加者のおよそ500名ほどは県外からの来訪者で、福島市内に宿泊需要なども創出している。

4月8日は福島県須賀川市で「須賀川コン」が、4月29日には、岩手県久慈市で「リアコン7」が開催されるなど、今後も被災地域が主催する街コンはますます盛り上がりそうだ。

取材・文/江藤 詩文

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