【企業がつなぐチカラ】インターネットでつなぐ、地域と“ヨソモノ” 〜外から発掘!地元も知らない地域の“お宝”

[いわて三陸 復興のかけ橋]

森と海の恵み豊かな尾崎半島(釜石)。半島内の集落「尾崎白浜」には独自の歴史と文化が息づく

森と海の恵み豊かな尾崎半島(釜石)。半島内の集落「尾崎白浜」には独自の歴史と文化が息づく

地元の人も知らない秘境のお宝を、外部の視点から光を当て、100年続く地域をつくりたい———釜石・尾崎半島を拠点に活動する団体が、インターネットを活用したユニークな挑戦を始めた。尾崎半島出身者のほかUIターンを含む4名で構成する、「尾崎100年学舎」だ。インターネット上に尾崎半島の写真を掲載し、ユーザー100名からアンケートを集め、地域の魅力を改めて考えようという取組だ。

「尾崎100年学舎」は、普段トレッキングや漁業体験等による外との交流や、環境整備など、尾崎半島を活性化するための幅広い活動を行っている。その中でメンバーが大事にしている「3つの尾崎」(尾崎半島、尾崎神社、尾崎白浜)の魅力を外部の視点を交えて見つめ直し、今後に受け継いでいく原動力にしたいという考えだ。

この取組のプラットフォームになっているのは、Googleが提供する「イノベーション東北」。「イノベーション東北」は、平成25年5月に、東北のビジネスやコミュニティの復興を支援するためにGoogleが中心となり立ち上げたプロジェクトで、震災を機に東北で地域プロジェクトに取り組む人と、そのプロジェクトに参加したい全国の人とをつなぐ、マッチングプラットフォームだ。

「サポーター」は日本全国から誰でも、インターネット上で自らの知見やアイディアをボランティアで提供することで、住む場所や仕事を変えずに、支援を必要としている各地域のチャレンジを応援できる仕組みになっている。これまで300件以上のチャレンジに対し、550件以上のマッチングを行ってきた。

今回の取組では、尾崎半島の「地域のお宝発見」のために100人のサポーターを募集しているが、1人がサポートに関わる時間は、写真を見てアンケートに答える30分程度。より多くの人がもっと気軽に東北に関わることができるという点で、「イノベーション東北」にとっても新たな試みであり、今後、地域活性化のユニークな手法の1つとしても、他地域での展開も期待できる。

尾崎100年学舎代表の久保竜太さんは、「サポーターのひとことから気付きをもらい、『あたりまえの風景』を『尾崎半島のお宝』に変えていきたい。そして、サポーターの輪をひろげ、外の人にも尾崎半島の魅力を知ってほしい」と意気込みを語る 。アンケートで集まった意見は、地域のコンセプトの構築、それを基にした建物リノベーションや、交流人口増加に向けたプログラム作成に活かしていくという。ほんのひと手間の関わり、想いの共有でも、東北の未来づくりに携わることができる。これまで東北との関わりをもっていなかった人も、参加してみてはどうだろうか。

記事提供:復興支援ポータルサイト「いわて三陸 復興のかけ橋」