「新しい東北」先導モデル事業 – 国の本気度がうかがえる自由度の高い事業

東北から全国のモデルとなる 先進的な取組みを

 復興庁が行う「新しい東北」先導モデル事業の募集が21日に締め切られた。震災後に各地で行われている先導的な取り組みを発展させることを目的として、9億円の事業費を充て60件程度の採択を見込んでいる。政府による復興への象徴的な取り組みとなる本事業について、ポイントを整理したい。

 まずは、ソフト分野を対象としていることだ。「復旧ではなく復興、元へ戻すだけではなく新しい取り組みを」とはよく言われるが、復旧事業以外に復興予算を出すことは容易ではなく、今まで多くの場合民間支援に頼られてきた。ソフト分野の復興の取り組みを政府が支援するのは、この規模の事業として初めてと言える。

 また、国の支援事業は業務委託契約となることが多いが、今回は業務請負契約となっている点にも注目したい。行政が委託した通りに実施するのではなく、成果に対しての支払いとなるため、費用の使途も事業主体に委ねられている。行政の代替ではない、民間による新しい動きを復興庁がサポートしている形だ。

 さらに、官民連携も強く意識されている。復興庁では復興推進委員会の「新しい東北」提言を受け、復興事業の推進を支えるための人材および資金面のプラットフォームも並行して整備を行っている。モデル事業で民間の新たな取り組みを支援しつつ、プラットフォームを介して官民連携を促進しながら効果を最大化する。そうした狙いが見える。

 政府としては通常慎重になる自由度の高いこの事業が実現したのは、首相も交えて相当数の議論を重ねた背景がある。復興における国の本気度が表れているとも言えるだろう。すでに東北各地で話題になっており、数百以上の申請が上がると推測される。9月末には採択結果が発表されるので注目したい。

復興庁発表の「新しい東北」目標像

(文/RCF復興支援チーム・藤沢烈)

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