女川に大型宿泊村が誕生 多様な担い手の連携・協働により実現

12月27日、宮城県女川町にトレーラーハウスを活用した宿泊村「エル・ファロ」がオープンした。女川町の4旅館事業者が設立した女川町宿泊村協同組合が、国のグループ補助金等を活用したもので、町内外の多様な関係者が協働して実現した。

制限地区でも設置可なトレーラーハウス

女川町は震災で壊滅的な被害を受け、12あった旅館のうち8つが被災した。宿泊施設の不足により、関係者の町内での活動時間や経済活動が減り、復興が遅れる大きな一因となっていた。

一方、宿泊施設の建設には多くの課題がある。必要費用の確保はもちろんのこと、町の約8割が津波で浸水した同町はほとんどが宿泊施設を建てられない建設制限地区であり、用地の確保が困難を極める。仮に用地確保ができても、復興の状況変化によって移動が必要となるリスクもある。

これらの課題を女川町はトレーラーハウスの活用により解決した。自治体の承認があれば建設制限地区でも設置ができ、移動性もあり状況変化に柔軟に対応できる。トレーラーハウスとの出会いにより、当初は難しいと思われた宿泊施設が実現へ向けて動き出した。

地域をあげた結束で進めた協働

27 日の開村式で挨拶をする4旅館事業者たち

27 日の開村式で挨拶をする4旅館事業者たち

被災地初となるトレーラーハウス型宿泊施設は、多くの関係者の協力により実現した。国や県のグループ補助金や町による用地貸借に加え、旅館組合や観光協会、商工会などからの協力があった。補助金申請や各種調整を町民組織である復興連絡協議会が支援した。「女川の良いところは町民たちの結束力」と同協同組合理事長の佐々木里子さん(写真右端)が話す通り、地域をあげた協力によって前例の無いプロジェクトが実現した。

スペインの風薫る新しい女川らしさ

カラフルなトレーラーハウスが24台(48室)並ぶ

カラフルなトレーラーハウスが24台(48室)並ぶ

宿泊村の大きな特徴は、そのスペイン風のあしらいだ。「エル・ファロ」という名前はスペイン語で灯台という意味。町を照らしていきたいという思いが込められている。またカフェスペースにはスペインの風景写真がならび、各部屋のナンバープレートは地元の女性団体「みなとまちセラミカ工房」による手づくりのスペインタイルだ。

「女川に似て、小さくてかわいい漁師町がスペインのガリシア地方にあるんです」と佐々木さん。この漁師町にはセラミカ工房のメンバーを含む町民が訪問もしており、今後文化や技術面の交流をしていくと言う。

人の温かさや結束力といった従来のものに、新たに加わった「女川らしさ」。震災後1年9ヶ月を経て、改めて歩みだした女川町をぜひ訪れてみよう。

1件のコメント

  1. 楠見武司 返信

    今年の4月に千葉県の銚子から八戸まで、車で震災の復興状況を自分の目で確認したいなと計画中ですが、女川町も通りますので、宿泊可能で
    あれば、寄ってみたいなと思います。一人旅ですがどうでしょうか? 
    和歌山在住です。

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