「祭り」が人々の心をつなぐ 交流人口拡大に夏祭りが効果あり

ボランティアの協力のもと作成された灯籠

ボランティアの協力のもと作成された灯籠

全国社会福祉協議会の発表によると、今年8月に稼働した災害ボランティア活動者数は、前月比8300増の2万9800人となった。夏休み効果もあり、昨年5月をピークに減少傾向にあったボランティア数が、約半年ぶりに大幅増となった形だ。このボランティア数増加のもうひとつの要因として、夏祭りの効果があったと見られている。

8月11日、被災地13カ所にてライトアップニッポンが主催する花火大会が行われた。東北の夜空が大小様々な花火で彩られ、各地で上げられる合計3万発の花火を約4万人が見上げた。今年度、(株)近畿日本ツーリストは大会に合わせてボランティアツアーを企画、全国から延べ約80名が参加した。「主役は地元の人々たち。あくまで旅行会社もボランティアツアー参加者も黒子に徹する。そんな中、地元の人たちと一つのことに向かって行事に取り組むということが自然な交流を生んだ。そしてその思いはその土地や人々への愛着心を育み、「風化する震災」に歯止めをかけているのではないか。」と同社企画担当の石井氏は語る。

約2000個の灯籠が雄勝湾に浮かんだ

約2000個の灯籠が雄勝湾に浮かんだ

宮城県石巻市雄勝町にて同月14日に行われた灯籠流しにおいては、東京を中心に全国各地から訪れた20代を中心とする有志が、町民と協力し灯籠を作成した。震災以前に4000人だった同町の人口は現在4分の1までに減少し、深刻な人手不足の課題を抱えている。伝統行事である灯籠流しも「町民だけでの開催は困難だった」と言うが、ボランティアの協力もあり当日は約2000個の灯籠が夜の雄勝湾に浮かんだ。今回参加した東京在住の大学生の一人は、「支援をしているというより、町の行事に参加をさせて頂いている感覚。そんな場所が東北にできたことは、何より幸せなことだ。今後もこの地を定期的に訪れ、町の人と共に盛り上げていきたい。」と話す。被災地とボランティアの関係性にも変化が見て取れる。

復興現場において、ボランティアの減少は大きな課題だ。また交流人口拡大の重要性も各地で多く耳にする。祭りを始めとした伝統行事は、訪問のきっかけとなるとともに、その場で生まれる地域・人との「つながり」の想いは再訪の大きな動機づけとなる。単純労働的なボランティアニーズが落ち着く中、今後は伝統行事などを中心とした「共同作業」にボランティア確保、交流人口拡大のカギがあるのかもしれない。

1件のコメント

  1. N.Perry 返信

    父の出身が東北ということもあり、幼少期は毎年必ず東北を訪れていました。海、山、湖、美味しい農作物、人々の我慢強さと温かさに触れました。そんな東北の多くが被害をうけ、震災後からずっと気になってネット、新聞等で状況を追っていました。今回のこの記事で町の人達の志と現状問題も知ることができました。また、コメントの中に「支援をしているというより、町の行事に参加をさせて頂いている感覚。」とありましたが、謙虚な気持ちで参加されている若い世代の方々にも感動しました。私は現在海外在住で参加はできませんが、子供たちの支援を今後も続け、祈りを運ばせていただきます。

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