ふくしまを生きるvol.8 地域・分野を横断した支援ネットワークの構築を

ワークショップ形式で行なわれた第3部。テーマは「つながる」。

ワークショップ形式で行なわれた第3部。テーマは「つながる」。

去る8月23日(木)に山形県山形市で、広域避難者支援ミーティングが行われた(JCN=東日本大震災支援全国ネットワーク主催)。避難者を支援する団体間の連携を目指すもので、名古屋、大阪に次いで3回目の開催。会場となった霞城セントラルの大会議室には、全国各地から101の団体・141人の支援者が参集した。その多くは山形県内の団体だったが、福島県、宮城県、東京都、遠くは広島県や山口県からの参加もあり、支援の広がりと関心の高さを実感した。

プログラムは、山形県での支援団体の取り組みを紹介する第1部、行政の支援や法制度、助成金などを学ぶ第2部、参加者同士の情報交換を行なう第3部の三部構成。限られた時間の中で密度の濃い内容だったが、特に福島県内にいては見えない、支援者・団体の顔が見えたという点で貴重な機会となった。

福島県からの県外避難者は現在約6万人。山形県は、そのうち約1万1000人と、全国で一番多く避難者を受け入れている(2番目に多い東京都では、約7800人)。そのため行政の支援も充実しており、市民団体の活動も活発だ。

取り組みが進んでいる山形に学びたい、自分たちの活動のヒントにしたいと、参加の動機を語る参加者も多かったが、一方、現場で支援に携わる人々からは避難の長期化に伴いニーズが個別化・多様化してきているという課題が挙げられるなど、これからの支援が一筋縄でいかないことも浮き彫りになった。第1部のパネラーの一人、稲垣文彦さん(社団法人 中越防災推進機構 復興デザインセンター長)も、現在、長期支援のスキームが国や自治体にないことを指摘。支援をいかに継続させていくか、個人の主体的選択による復興をどう支えていくかが課題になっていると言う。

今後、制度の整備・拡充を求めていくと同時に、細分化する個別ニーズに機動力を持って対応していくこと、そして分野を超えて連携していくことの重要性を改めて感じる会議となった。

取材・文/遠藤 惠(ふくしま連携復興センター)

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