Pick Up! NPO 被災者による被災者支援で新しいまちづくり ゼロからの再生――そして被災者自立への架け橋へ

まちづくり・ぐるっとおおつち

団体概要:岩手県大槌町で、被災前は福利厚生の促進、現在は仮設・在宅生活者の雇用促進等を
中心に心理的・社会的サポートを図り、持続的に町と被災者の生活再建を支援する。
URL:http://www.guruttootsuchi.org/

イベントで子供たちに加わる千田さん

イベントで子供たちに加わる千田さん

ぐるっとおおつちは、震災前はふれあいセンターの運営や、 子供の農漁業体験、河川清掃などの環境教育活動を通じて町民の福利厚生と町の活性化を推進してきた。震災で理事・会員数名が津波の犠牲になり、センターも半壊して活動は完全停止。そんな中、代表の小向幹雄さんは避難所でボランティアをする国連職員の千田悦子さんと出会う。

千田さんは、これまでアフガニスタン等世界各国で緊急人道支援を行い、震災後いち早く個人として被災地で支援活動を開始していた。仮設住宅が整備された昨年夏、ニーズの高い移動支援を実現するためにぐるっとおおつちに加わった。

8月の活動再開時には2名だった職員も、今では10名近くに。地元野菜・手作り惣菜の実費販売や支援物資の配布、仮設団地に地縁の絆をと、お地蔵様を設置するなど活動は幅広い。職員が全員被災者なので仮設住宅を回ると、誰もが気兼ねなく必要なことを口にし、実際の支援活動へと繋がる。被災者による被災者支援の強みが発揮されている。

集会所で定期的に行われている人形の講習会

集会所で定期的に行われている人形の講習会

「復興の祈りを大槌から発信しつつ、生活を再建したい」。仮設住宅の女性たちの声から、北上の障害者施設が作る手芸用軍手を使いフェルトで表情を付けた、名物「夫婦ご当地ゆるキャラ おおちゃん・こづちちゃん人形」が誕生した。昨年秋の3ヵ月だけで6千個以上を制作、200万円以上を売り上げた。収益はすべて被災者に還元。人形づくりの講習会は、女性を中心にした和やかな交流の場ともなっている。

「活動の幅が広がり、公平さや中立性をどう確保するか、非営利団体独自の問題も、資金面の問題も出てきます。でも、被災を克服したぐるっとおおつちのメンバーならどんな困難も乗り越えられると信じています」。千田さんの言葉は、現場主義を貫いてきた専門家としての自信に満ちている。

取材・文/高橋 郷

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