災害に強いまちづくり 日頃から学校と地域の絆を

長田徹さん

長田徹さん 仙台市教育委員会指導主事として学力向上、キャリア教育、学校支援地域本部を担当、現在は文部科学省で全国の学校・地域連携の推進に取り組んでいる。

 震災後に避難所となった地域の学校は、避難施設としての建物の役割と、被災者の誘導・案内など運営の役割の双方が求められた。今回、これらの役割が順調に機能した学校とそうでない学校に、ある特徴が見られることが分かった。それは普段から地域との連携が取れている学校は、避難所運営の自治化に大きな混乱がなかったというものだ。

 この調査を実施した文部科学省の長田徹さんは「地域住民がボランティアとして学校を支援するための組織づくりを行う『学校支援本部』(※)に積極的に取り組んでいた学校では、学校と地域住民との繋がりが強く、結果として避難所運営の自治化がスムーズに進んだようです」と話す。また、日常的に学校支援に関わっていたボランティアからも「お互いの名前を呼び合える関係の中では、互いに必要とされる配慮が分かっているので、住民同士や先生とのチームが組みやすかった」という声があがったという。学校と地域の「顔の見える関係」によって、自然な役割分担やルール作りが進められ、それが避難所運営の「質」に影響を与えたようだ。

避難所運営に関するアンケート結果

 さらに、避難所を整理し教育活動を再開する際にも、自治組織の世話役の存在が大きかった。「学校や行政が避難者に移動をお願いするのと、自治を担っている住民の中から『子供たちの授業が始まるから掃除しよう』という声が出てくるのとでは、その後の動きが変わってくるのです。学校と避難者双方の立場が理解でき、双方に名前を呼び合える関係を持つ地域住民の調整によって、教育活動の再開がとても順調に進んだと言えます」と長田さん。

 また学校と地域の「絆」づくりについて、「学校と地域が支え合う仕組みは、発災し、混乱した状態から築くには無理があります。普段から紡いできた絆こそが危機的な場面で生きるのです。人間関係の構築ですから、『顔の見える関係』『名前を呼び合える関係』『支え合える関係』としっかり段階を踏むことが大切ではないでしょうか」と語る。

 地域で教育の質を高めようと始まった学校・地域連携。この絆は災害に強いまちづくりの鍵として未来に果たす役割も大きい。

(※)地域全体で学校教育を支援する体制づくりを目的として平成20年に文部科学省が開始した事業。

2件のコメント

  1. おーがっつ 返信

    素晴らしい!こういった記事は元気でる。みんなが、何となくそうあってほしいと思うデータだ。

  2. 力 « BIBlog 返信

    […] なんとなく長田先生がわかるかもな記事を http://www.rise-tohoku.jp/?p=1181 Share this:TwitterFacebookいいね:いいね最初の「いいね」をつけてみませんか。 […]

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